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2017/2/11(土)バルカン・メロウ その2~面影について

Lena Kovacevic

今夜の一枚
Сан(San)/Лена Ковачевић(Lena Kovačević)
Lena Kovačević(vo),Predrag Perić(acco),Predrag Kozomara/Goran Potić(g),Milan Pavković/Dragiša Uskoković-Ćima(b),Predrag Milutinović(ds),Ivan Ilić(p,key,tb,whistle),Srđan Tanasković(p,key),Kristijan Mlačak(ts),Miloš Nikolić(tp,flh)+Gudački Orkestar Simfonijskog Orkestra RTS
2013発表 PGP RTS

先日、ふと面影について考えてみた。

君は面影というものを見た事があるだろうか?僕はある。何度もある。

大方の日本人は、面影というものを見た経験があるのではないだろうか?例えば、昔女優をやっていた初老の女性の現役の頃の面影とか、寂れゆく地方都市の商店街の華やかな頃の面影とか…。

この面影というものは例えば麻薬使用者が見る幻覚のようなものだと思う訳で、現実には見えていない事を見えているものだと仮定し、そこの希望や憧憬等のスパイスを振り、それが見えているものだと信じ込む「事象」である。良く言えばクリエイティヴでアーティスティックであるが、悪く言えばかなりサイコな事象だと思う。こんな特殊なものの見方をするのは日本人だけではないだろうかとふと思った。

僕は自分自身をかなり差別的な人間だと思っている。もう6年以上前になるが、旧ブログの時代に、英語圏には「懐かしい」という感覚が乏しい(無い)というこんな日記を書いた事がある。自分、英語圏の人間(これはほぼイコールでアメリカ人の事だが)は大雑把な考え方しか出来ない人達だと思っている。さすがに英語に「面影」という単語は無いだろうと思った。恐らく"shadow"とかありきたりの別の単語で代用されるのだろう、と。

ところがどっこい(笑)、和英辞典で引いてみたら、やはり"shadow"や"image"という単語も出てきたが、「面影」を意味する専門的な単語が5つも出てきた。"feature"以外は聞いた事が無い単語だ。

remnant
simulacrum
feature
resemblance
vestige

せっかくだから、なるべくこの5つの単語の違いが解るようにそれぞれを引き直してみた。

remnant=面影、残物、残滓、遺物、はした
simulacrum=面影、像、似姿、幻影、偽物、見せかけ
feature=顔の造作、容貌(ようぼう)、顔だち、目鼻だち、(著しい)特徴、特色、主要点
resemblance=類似、似ていること、似顔、肖像
vestige=痕跡(こんせき)、跡、面影、名残、形跡、ほんの少し(も…ない)、痕跡(器官)、退化器官

この5つの語の違いはジャパニーズ・スピーカーの感覚ではなかなか解りにくいようだ。

英単語"rice"に当たる日本語に「米」と「飯」という2語がある。米が主食の我々にとって、英語圏の人間より一般的に米が日常生活に深い意味を持っているから、生えている米と調理した米を区別する必要性がある訳だ。アラビア語では「ラクダ」を表す単語が複数あると聞いた事がある。例えば野生のラクダと荷物運搬用のラクダには別の単語が充てられていたと思う。それは当然ラクダにが生活に大きな意味を持っているから、日常生活で細かく区分する必要性がある訳だ。同様に、「面影」を表す単語がこれだけあるという事は、それだけイングリッシュ・スピーカーがそういう感覚を深く持っているという事になると思う。

やはり僕は差別的な人間であって、イングリッシュ・スピーカー(≒アメリカ人)も彼等なりの繊細で創造的な感覚を持っているという事だろう。

今夜の一枚はバルカン・メロウ第2弾。こないだのIrena Blagojevićと一緒にベオグラードから取り寄せた。こういった派手ではない滋味深い音楽はバルカンにもある。「わび・さび」は日本人だけの感覚でもないようだ。






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